「んだよ……お前といるといつも調子が狂う」



廉くんは「はぁ」と大きなため息をついて、顔に手を当てる。

調子が狂うってどういうこと?



「……っ!」



それを聞く前にギュッと廉くんに抱きしめられた。

え、えっ、どういうこと!?

私の心の中はパニックだ。

廉くんに抱きしめられている。

心臓が口からとび出そうなくらいドキドキしてる。



「1回しか言わねーからちゃんと聞いとけよ」



耳元で低い廉くんの声が響く。

私はこくんと頷いた。



「俺も、愛華が好きだ」

「……へっ」



嘘……夢じゃないよね?



「今、なんて……」

「1回しか言わねーって言っただろ」



確認したい。

本当に?

本当に廉くんは私が好きだと言ったの?



「はぁ……好きだ、愛華」

「……っ」



嬉しい。

嬉しくて涙がこぼれる。