「本当にこれだけのために来たのか?」

「えっと……もうひとつ伝えたいことがあって……」

「何?」



まっすぐに私を見る廉くん。

緊張してその視線を外したくなる。

胸のドキドキが鳴り止まない。



「あのね……」



いざとなるとすぐに口にできない。

もどかしい。

でも伝えたい。



「私、廉くんのことが好き!」



ギュッと目をつぶる。

なんて言われるのか怖い。

廉くんには絶対に好きになるなと言われている。

それなのに好きだなんて……

受け止めてくれないかもしれない。

それもわかっている上でやっぱり伝えたいと思った。

心桜も言っていた。

想いはちゃんと伝えないと後悔する。

私は後悔したくない。

廉くんにちゃんと私の気持ちを聞いて欲しい。