「私は施設に入って、今の親に引き取られて『久留米』になったんだけど…今の親も不慮の事故で亡くなっちゃって」


私は幸せに恵まれてないのかなってちょっとは思った

「でも、義理のお兄ちゃんは『お前のせいじゃない』って言って慰めてくれた」


『そうだったんだ』

「ごめんね、すごく重い話で」

私は話しながら兄の手を掴んでいたらしい

「ひろむさんのことなんだけど」

「ひろむ?どうしたの?」

「高校に入る前に別れたよな?あいつなら元気でやってる。だから今度会いに行ってやれ。絶対喜ぶぞ」


ひろむとは中学の時の間だけ付き合った私の2個上の彼氏


元気なんだ。良かった


「姫華、ちょっとこっち来て」


「どうしたの?」

私は言われるがまま虎汰郎くんの隣に座る