「ぅどん」
今日も言ってる。
彼女は桜を見ながら口癖のようにこぼす。
「ぅどん」と。
消え入りそうな「ぅ」、
「ど」に来るアクセント。
ずいぶんと独特な言い回しだ。
「ぅどん」
ほらまた!
「うどん好きなの?」
僕の心が漏れだした。
推しから目を離すことなく、
彼女はちょっと大きく微笑み「ひみつ」と答える。
臆病な僕は「かわいい」をうまく雨音に隠した。
髪の毛から靴先まで濡れきった頃、
いつものように恋人へ「またね」と挨拶して彼女は帰る。
これを合図に僕も仕事へ戻る。
今日も言ってる。
彼女は桜を見ながら口癖のようにこぼす。
「ぅどん」と。
消え入りそうな「ぅ」、
「ど」に来るアクセント。
ずいぶんと独特な言い回しだ。
「ぅどん」
ほらまた!
「うどん好きなの?」
僕の心が漏れだした。
推しから目を離すことなく、
彼女はちょっと大きく微笑み「ひみつ」と答える。
臆病な僕は「かわいい」をうまく雨音に隠した。
髪の毛から靴先まで濡れきった頃、
いつものように恋人へ「またね」と挨拶して彼女は帰る。
これを合図に僕も仕事へ戻る。