教室に入り、自分の席に座った。
すると私の友達が話しかけてくれた。
「おはようございます、ミントさん。本日も可愛いですね…」
この子は宇野まっちゃたん。
長く伸ばした抹茶色の髪で黒色の瞳をしている、おしとやかで優しい女の子。
なぜか…、いつも私のことを可愛いって言ってくれる…不思議。
「そういえば…まっちゃたんは渡すの？チョコレート」
聞いてみると…、
「私は、ぶどうくんに…渡します」
あ…忘れていたよ、まっちゃたんに彼氏がいたこと。
まっちゃたんの彼氏は、紫崎ぶどうくん。
薄紫色をしたくせっけの髪で、赤色の瞳をしている男の子。
学年で二番目にかっこいいが、まっちゃたんLOVE…らしい。
「あっ！まっちゃたん、これ友チョコなんだけど…」
先生に見つからないよう、小声で言う。
「ほ、本当ですか…！私も作ってきました。ミントさんの手作りチョコレート…おいしそうです」
とっても喜んでくれている、嬉しい。
チョコを交換していると、トコトコと私の机の前に二人の友達が歩いてきた。
「おはよう、みなさん…わたくしへの友チョコはあるのかしら？」
この子はシュガー・ストロベリーちゃん、大企業ストロベリーグループの令嬢でハーフ。
イチゴ色の髪をツインテールに結んで、ぱっちりしたピンク色の瞳をしている。
「あっ！おっは～、あたしも友チョコ欲しい」
この子は橘みかんちゃん、とにかく明るくて元気だ。
オレンジ色の髪をポニーテールに結んで、黄色の瞳をしている。
「はい、シュガーちゃんとみかんちゃんの友チョコだよ」
二人のことを勝手に私が友達だと思っていたわけじゃなくて、二人とも私のこと…友達だと思ってくれていたみたいで嬉しい。
「ありがとう…ですわ」
「うわ～っ、とっても嬉しい」
こんなに喜んでくれると思っていなかった！