純也とは、同じ大学で同級生として知り合った。
(また違う女の子連れてる......)
初めは、チャラい男だな、くらいにしか思っていなかった。
学科で話したことはなかったけど、同じサークルに入ったことをキッカケに、少しずつ会話をするようになった。
私は、子供の頃、犬を飼っていたこともあり、
犬猫の里親を探すボランティアサークルに入っていた。
純也は、どちらかというと、テニスサークルとか演劇部とか、華やかなサークルに入っているイメージだったから、同じサークルに入ったと知った時は、驚いた。
『高校までは、俺、テニス部だったんだけど、怪我しちゃって......
まあ、今もたまに助っ人で、テニスサークルの試合に出ることもあるけど、
やっぱもう前みたいには動けないよなぁ。
悔しいけど、スポーツの世界じゃよくある話だし。
テニスだけが全てじゃないもんな』
あっけらかんとして話す内容ではないと思ったが、純也のそういう前向きで、相手に気を遣わせない物言いに、私は好感を持った。
里親サークルには、女友達に誘われて入ったそうなのだが、その女友達と恋愛関係で一悶着あったらしく、女の方は、すぐにサークルを辞めてしまった。
『……意外。すぐに辞めちゃうかと思った』
純也は、私の嫌味に怒るどころか、笑って言った。
『俺って、人の期待を裏切るタイプの男なんだ』
純也は、内向的で他人と距離を置きたがる私とは真逆の性格で、
明るく誰とでもすぐ打ち解けられ、いつも人の輪の中心にいるタイプだった。
私とは住む世界が違うと思っていたから、まさか自分が彼の恋愛対象になるなんて、考えもしなかった。
『西野って、なんか猫っぽいよな』
『愛嬌がないって言いたいの?』
『違うよ。誰にも媚びないところとか、
かっこいいなって。それに……猫って、可愛いじゃん』
『……な、何よ、急に。
そんなに褒めても、何も出ないわよ』
私が気恥ずかしくて顔を背けると、純也は、真面目な顔をして言った。
『なぁ、西野。俺と付き合わない?』
実は、あの時、私は自分が何と答えたのか、よく覚えていない。
混乱した頭のまま家に帰り、純也からのチャットをもらって、初めて私たちが付き合うことになったのだと知った。
正直私は、純也に好意を持っていたし、付き合えて嬉しいと思っていた。
純也と過ごした時間は、本当に楽しかった。
純也は、私が知らなかった世界をたくさん見せてくれた。
『付き合ってること、サークルの皆には、言わないで欲しいの』
『どうして?』
『皆に変な気を遣わせたくないし。
それに、なんか気恥ずかしいというか……』
本当は、サークルでも人気者の純也と私が付き合っていることに引け目を感じていたからだ。
純也は、いつも女の子たちに囲まれていて、彼女たちの何人かは、本気で純也のことが好きだと私は知っていた。
だから、私と純也が付き合っていることを彼女たちに知られたくなかった、というのもある。
『ふーん……別に、西野がそれで良いなら、俺はいいよ』
でも、私が純也と付き合っていることを隠すことで、純也に想いを寄せる女の子は、絶えることがなかった。
(また違う女の子連れてる......)
初めは、チャラい男だな、くらいにしか思っていなかった。
学科で話したことはなかったけど、同じサークルに入ったことをキッカケに、少しずつ会話をするようになった。
私は、子供の頃、犬を飼っていたこともあり、
犬猫の里親を探すボランティアサークルに入っていた。
純也は、どちらかというと、テニスサークルとか演劇部とか、華やかなサークルに入っているイメージだったから、同じサークルに入ったと知った時は、驚いた。
『高校までは、俺、テニス部だったんだけど、怪我しちゃって......
まあ、今もたまに助っ人で、テニスサークルの試合に出ることもあるけど、
やっぱもう前みたいには動けないよなぁ。
悔しいけど、スポーツの世界じゃよくある話だし。
テニスだけが全てじゃないもんな』
あっけらかんとして話す内容ではないと思ったが、純也のそういう前向きで、相手に気を遣わせない物言いに、私は好感を持った。
里親サークルには、女友達に誘われて入ったそうなのだが、その女友達と恋愛関係で一悶着あったらしく、女の方は、すぐにサークルを辞めてしまった。
『……意外。すぐに辞めちゃうかと思った』
純也は、私の嫌味に怒るどころか、笑って言った。
『俺って、人の期待を裏切るタイプの男なんだ』
純也は、内向的で他人と距離を置きたがる私とは真逆の性格で、
明るく誰とでもすぐ打ち解けられ、いつも人の輪の中心にいるタイプだった。
私とは住む世界が違うと思っていたから、まさか自分が彼の恋愛対象になるなんて、考えもしなかった。
『西野って、なんか猫っぽいよな』
『愛嬌がないって言いたいの?』
『違うよ。誰にも媚びないところとか、
かっこいいなって。それに……猫って、可愛いじゃん』
『……な、何よ、急に。
そんなに褒めても、何も出ないわよ』
私が気恥ずかしくて顔を背けると、純也は、真面目な顔をして言った。
『なぁ、西野。俺と付き合わない?』
実は、あの時、私は自分が何と答えたのか、よく覚えていない。
混乱した頭のまま家に帰り、純也からのチャットをもらって、初めて私たちが付き合うことになったのだと知った。
正直私は、純也に好意を持っていたし、付き合えて嬉しいと思っていた。
純也と過ごした時間は、本当に楽しかった。
純也は、私が知らなかった世界をたくさん見せてくれた。
『付き合ってること、サークルの皆には、言わないで欲しいの』
『どうして?』
『皆に変な気を遣わせたくないし。
それに、なんか気恥ずかしいというか……』
本当は、サークルでも人気者の純也と私が付き合っていることに引け目を感じていたからだ。
純也は、いつも女の子たちに囲まれていて、彼女たちの何人かは、本気で純也のことが好きだと私は知っていた。
だから、私と純也が付き合っていることを彼女たちに知られたくなかった、というのもある。
『ふーん……別に、西野がそれで良いなら、俺はいいよ』
でも、私が純也と付き合っていることを隠すことで、純也に想いを寄せる女の子は、絶えることがなかった。