「また挨拶したのー?ゆの
も懲りないねぇ、」

「なっちゃーん!今日も空振りだったよー」

話しかけてきたのは幼なじみの夏陽(なつよ)。
お団子ヘアの面白い子で小さい頃からずっと一緒にいる。

「そろそろ諦めたら?ずっとあんな調子じゃキリがないわ」

「諦めないから!絶対私が最初の霧風くんの話し相手になるのー!」

霧風くんは私の隣の窓側の席で、毎日外を眺めてる。最近は挨拶に対して頷いてくれるようになっただけ。これも結構な進歩だけどね!

「てか、ゆの今日水やりしたの?」

「あ!!!忘れてた、今からでもHR間に合うよね?!行ってくる!」

私はこの学校の花壇のお世話をしている。入学したときに花に見惚れてたら校長先生から花壇のお世話の許可を貰った。その時は飛び跳ねるくらい嬉しかった。自分の優乃花(ゆのは)という名前にも花が入っていてとても気に入っている。