彼と話す内容はたわいも無いものだった。


中学時代の思い出、新しい友達、勉強、家族。


そして、私の恋人の話までも。


一言で片付けてしまえば、なんでも話せる親友。


私の全てを話せていたのは彼だけだった。


彼と話している時間が楽しくて、明日学校があることも故意に忘れて二人だけの世界にのめり込んでいた。


それほどに私は彼が大好きだった。


恋愛ではなく、人として好きだった。


彼といる時の、本音をさらけだした私も好きだった。




それなのに……突然変わってしまった。


彼が、私の大好きな彼でいたのは夏までだった。


話を聞く限り、やんちゃな先輩に気にいられそのグループでよく遊ぶようになったらしい。


だんだんと彼の口から出てくる言葉が過激になっていった。


"最近タバコの美味しさに気づいたんだよね"