「そうであったか。それは致し方なし!」

と、ツキナも納得したように言った。

「は、はい…」

「では、この後点検が終わったら、新しいホウキを補充しに来る所存である!」

「ど、どうも…ありがとうございます…?」

何で疑問形?

いーよ別に。ツキナはこれで通常運転だから、ふつーに接してくれて良い。

「では皆の者、次に行くぞ!」

「次は何処?」

「この教室の隣、一年Cクラスだ!」

…。

…ツキナが張り切ってるのは、凄い可愛いんだけどさ。

校内全ての掃除用具入れを、一つ一つ点検して回るって。

思った以上に、手間かかって面倒臭い。

「日が暮れるまでに、終わるのかな…」 

と、『八千代』がぼそっと呟いていた。

無理かもね。明日にずれ込むかも。

ま、それならそれでもいーじゃん。

確かに、点検作業そのものは面倒だし、頼まれても絶対やりたくないけど。

そんな面倒な作業を押し付けられたツキナの、手伝いをすることが出来るのなら。

それ以上に大切なことって、ないじゃん?

俺の株も急上昇、ってね。

「よし、分かった。じゃーCクラスにいこっか」

「うむ!」

気を取り直して、そして、元気出して行こう。

しかし、あれだね。

ツキナのこのテンションって、いつまで続くんだろーね?

途中で疲れて、素に戻りそうな気がするよ。