屋上からは、見事な夕焼けが見えた。

普段ならこの景色を見て、綺麗だなぁと思うのだろうが。

今ばかりは、死刑宣告にも等しかった。

…もう、日没だ。

つまり、いよいよタイムリミットが迫っているということに他ならない。

シンデレラの魔法が解ける時間…日付が変わる時間まで、あと何時間だ?

精々、五、六時間程度しか残されていないだろう。

それまでに俺達は、本物のガラスの靴を見つけることが出来るのか?

それだけじゃない。

日没が来て、日が暮れたら…外を探すのは難しくなる。

校舎の中にあるなら良いが、また園芸部の畑にでも埋まってたらどうする?

暗くなったら、外を探すことは出来ない。

そう思って、俺は暗くなる前に屋上を探しに来たのだ。

まぁ、見つかったのは偽物だけだったが。

…不味いぞ。

完全に日が暮れたら、もう外を探すのはお手上げになる。

…急がなくては。

とにかく、完全に日が暮れる前に、校舎の外…グラウンドや中庭を、隈無く探しておかないと。

俺は急いで、まずは中庭に向かった。




…すると。



「…!羽久…」

「シルナ…!それに、皆も…」

誰しも、考えることは同じだったようで。

七人全員が、中庭に集結してガラスの靴を捜索していた。