「まぁ…ベリーシュがそれで良いなら、別に私は口出さないけど…」

「うん」

「でも、きっとママに怒られるよ?」

「そっか」

何で私が0点だと、ママが怒るのか知らないけど。

何か不都合なことでもあるんだろうか?

ママはもしかしたら、娘達に古代文字研究家になって欲しいのかもしれない。

でも、申し訳ないけど…それは無理だ。

「私、古代文字研究家にはならないから」

「は…?古代文字…?」

「別のものになるの。確か、私は…」

…なってたはずだ。別の何かに。

何処かに所属してた。何かのグループのメンバーだった。

そう。白い制服を着ていたのも、多分そのグループなんだ。

でも、それが何のグループなのか思い出せない。

きっと…凄く、大事な場所だったはずなのに。

あれは何だったんだろう…。…夢だろうか?夢の中で見た…?

…いくら思い出そうとしても、頭の中は灰色のモヤがかかって、やっぱり思い出せなかった。