何科目テストを受けようが、何時間授業を受けようが、結果は変わらない。

どの科目も、やっぱり古代文字の羅列だった。

シファちゃんも私も、古代文字の勉強をしてるんだね。

将来は何になりたいんだろう?古代文字研究家…?

それにしても、学校にも生徒がいっぱいいて、じゅくにも生徒がいっぱいいて。

皆古代文字を勉強してるってことだよね。

こんなにたくさんの人が、古代文字研究家を目指してるんだろうか。

ともかく私は、大量の古代文字の山を見せられて、頭がくらくらしてる。

私にはちっとも解読出来ないや。難しくて。

私は古代文字研究家じゃなくて、もっと別のものになるよ。

…別のものって、何だろう?

将来何になるかを悩んだことなんて、なかった気がするんだけど…。

私は何を目指してたんだったか…。

…それはさておき。

じゅくという場所は、やっぱりお勉強する場所だったようで。

山のようなテストの後、また学校にいたときみたいな授業を受けた。

学校であれだけ勉強したのに、放課後にもこんなに勉強するなんて。

古代文字研究家になるのは、こんなに大変なんだね。

私には無理だ。

もう、頭の中がいっぱいいっぱい…を通り越して。

いっそ、脳みそがすっからかんになった気分。

ようやくじゅくの授業が終わって、外が暗くなり始めた頃。

早速、さっき受けた個別テストの結果が返ってきた。

その結果は、勿論…。

「ふー。ギリギリだけど、平均点越えられたよ。良かった〜」

シファちゃんは、ホッとしたようにそう言った。

「そっか。おめでとう」

「ベリーシュは?平均点超えた?」

へーきんてんって何?

「全部0点だった」

「へ?」

「0点だったよ。全部」

私はペケペケまみれのテストを、シファちゃんに見せた。

見事に、どれも0、0、0。

全部0点で良かった。

分かりやすく良いよね。

うっかり、1科目だけ5点とか取っちゃったら、凄く中途半端になるところだった。

何事も中途半端は良くないって、昔誰かに聞いたことが…。

「…ちょっと、ベリーシュ。大丈夫?」

シファちゃんは、一周回ってぎょっとした様子だった。

「何が?私は大丈夫だよ」

「じゃあ、何?全部白紙で…。ストライキか何か?」

…すとらいきって、何?

すとらいく、なら聞いたことあるよ。

真っ直ぐなんだよね。確か。