午前中いっぱい、4科目の授業を受けたけれど。

残念ながら、どの科目もさっぱり分かんなかった。

倫理って科目なら、ちょっとは分かるかと思ったんだけどなぁ。

どれもちんぷんかんぷんで、ちり?の授業のとき、一回先生に質問されたけど、全く答えられなかった。

ゴミのお勉強じゃなかったみたいで。

分からないものは分からない。仕方ない。

…ところで、ちりって結局何のこと?

敬語のお勉強も、全然敬語じゃなかったし…。むしろ、古代文字その2みたいだった。

そして、昼休みを挟んで、午後の授業。

午後は何の科目を勉強するのかなぁ、と思っていたら。

「あれ?ベリーシュ何してるの?早く行かなきゃ」

と、シファちゃんに言われた。

…ほぇ?

行くって、今度は何処に行くの。

「5時間目は体育だよ。早く更衣室に行って着替えないと」

体育…更衣室…。

…一体何やるんだろう?

って言うか…。

「何に着替えれば良いの?」

「何って…体操服でしょ?机の横に掛けてるじゃない」

あ、この…机の横に引っ掛けてた袋って、体操服だったんだ。

良かったー。着替えるものないのかと思った。

着るものに困るなんて、いつのことだったか…。

…ってあれ?そんなことあったっけ?

首を傾げていると、シファちゃんが私の体操服を取って、ぼふん、と私の手に持たせた。

「ほら、ボーッとしてないで、早く行くよ」

「あ、うん…」

体育…体育かぁ。

何するんだろうなぁ。

シファちゃんについて、一緒に体育館に向かう。

体育館って場所で授業するんだって。

稽古場みたいな感じかな?

…ん?稽古場…?

稽古場って…何の稽古をする場所だったっけ…。

辿り着いた体育館は、天井が高く、広々としていた。

成程、ここが体育館…。

…何だか、思ってたよりは小さいな。

こんなものなのか…。私が知ってる稽古場は、もっと広かっ…。

「ベリーシュ、早く着替えよう」

「うん…」

シファちゃんに続いて、体育館の中にある更衣室に入る。

その更衣室の中で、私は体操服に着替えた。

どうだろう、これ。似合ってる?

伸縮性は、制服よりも優れているようだけど。

でもやっぱり…。これよりも、私は白い制服の方が良いなぁ…。

…また、白い制服のこと思い出しちゃった。

白い制服なんて、何処で着てたんだっけ…?