校門あたりで何やら騒がしい。 目を凝らすと見えてしまった。 雨だというのに、1人だけご機嫌な様子で歩いている高身長で和装で、蛇目傘をさしたイケメンが。 まずい、奴が来てしまった。 過ぎゆく人がチラチラと彼を見ては、整った顔立ちに思わず見惚れて立ち止まる。 あぁ、なんで来るかな。こんなに他人であって欲しいとこんなに願ったことはないよ。 逃げも隠れもできずに頭を抱える。