「真さん、私、大丈夫かな?反対されないかな?」

 助手席から不安そうな声をかけると、真は真っ直ぐ前を見て運転しながら、分からん、とひと言返す。

 「ちょっと!そこは嘘でも、大丈夫だって言って下さいよ!」

 真菜は、思わず身を乗り出して真を見る。

 今日は真の両親に挨拶をする為、真の車で実家に向かっていた。

 「やっぱり、家柄とか身分の違いで反対されるかな…」

 ぽつりと真菜がこぼすと、それはない、と真は即座に否定する。

 「そんな考えをする親じゃない。ただ、なにせ俺も会うのは何年ぶりか分からん。人格変わってなきゃいいけど…」
 「ちょ、ちょっと!ますます不安になるんですけど」

 すると真は、ふっと優しく笑った。

 「大丈夫だ。何があっても俺は真菜を守る。それに、何がなんでも俺は真菜と結婚する。だから安心して、俺のそばにいろ」

 真菜は、うんと頷いて笑った。