「あら、いいわね!みんなはこっそりチャペルに入って待ってるって訳ね」
 「はい。それに、このやり方ですと、衣裳も当日ご本人に選んで頂けます」
 「それは喜ぶと思うわー。娘もね、やっぱりウェディングドレス、着たかったみたいでね。雑誌でそういうのが載ってると、じっと見てるのよ」
 「ウェディングドレスは女の子の憧れですものね。では、ブライダルフォトをプレゼントしたいとお話された時点で、お二人に断られる可能性は?」
 「それはないと思うわ。きっとびっくりして、喜ぶと思う」
 「そうですか!では、わたくし共に是非お手伝いさせて下さい」

 そして、一旦店長の耳にも入れた方がいいと、オフィスに戻ったのだった。

 「ふーん、いいわね!そのまま真菜が担当して、進めてくれたらいいわ」
 「かしこまりました!」

 真菜は笑顔で頷くと、サロンに戻って、さらに詳しく打ち合わせをした。

 そして、なるべく早くというご希望で日取りを確認し、空きがあった6月16日の金曜日の夜と決まった。

 挙式のあと、披露宴会場で簡単にパーティーを開く事も出来ますよと話すと、それなら二人の友人にも声をかけてみる、と、ご両親は嬉しそうだった。

 衣裳のカタログや、チャペルの中も見て頂き、ゲストの人数が分かり次第ご連絡下さいとお願いして、今日のところは打ち合わせを終える。

 当日が楽しみです!よろしくお願いします!と、ご両親は笑顔で帰って行った。