「で?どうなったの?それから」

 次の日。
 仕事の合間に夕べの事を話し出した拓真に、希と有紗が、グッと顔を近付けてくる。

 拓真は、はあとため息をついた。

 「ため息ついてちゃ分からんでしょうよ。何て言ったの?真菜は」
 「それが…。にっこり笑って、ありがとう、心強いわって」
 「で?」
 「だから、それだけ。また普通にコーヒー飲み始めて、そろそろ帰るねーお休みって」

 またため息をつく拓真に、希と有紗は苦い表情で顔を見合わせる。

 「ね、どう思います?真菜はどういう意味に捉えたんでしょうか?」

 拓真がすがる様に、希と有紗に聞いてくる。

 「どうって、それは…」
 「ねえ、つまり、そのまんま…」

 ガクッと拓真は肩を落とす。

 「まあまあ、ほら、そう落ち込むなって」
 「真菜ちゃんにはねえ、なかなか伝わりにくかったのかもね」
 「俺…どうすりゃ良かったんでしょうか」
 「めげないの!何度でもチャレンジあるのみよ!」
 「そうそう。拓真くん、今度はもう少し計画的に進めてみれば?シチュエーション考えて」

 その時、ガチャッとドアが開いて控え室に真菜が入って来た。

 「お疲れ様です。あら?皆さんお揃いで、何か楽しい話でもしてるんですか?」

 拓真が、またもやガクリと肩を落とした。