KAIは魔王と共に魔界の森へと足を踏み入れた。


「KAIょ…どうかしたか?」

魔王はKAIの表情を見て言った。


「何もありません。」


単調に答えるKAIだが、明らかに浮かない顔をしている。


「…父上…母上は何故ミオを謙一に付けたのでしょう…?」


KAIは自分が今言った言葉に驚いた表情を一瞬見せたが、またいつもの冷静な顔に戻った。


「気にいらんか?」


魔王は前を見据えて言った。


「いえ…ただ、疑問に思っただけですが…」


「そうか。さて…着いたぞ。」


魔王は森の中腹に建つ城の前で足を止めた。


「お前の妻になる者の屋敷だ。」


「……………」