アイツとは、キオの事か…────

謙一はボンヤリと魔王を見据えた。


「お前の素性はまだキオは知らないのだろう…」

「えぇ。」


「そのうち、教えてやれ。」


「はい…」


「KAIょ…謙一を部屋へ案内してくれ。」


「はい。」


魔王はそう言うとスッと音もなく消えた。


魔界最強の座─────


歳はいくつかわからないが、凄く威圧感がある。

しかし、安堵感も別の所から伝わる。


それは、魔王が想う自分の子供への気持ちであろう──────