春香はいつも通り、簡単な食事を済ませ、買ってきた雑誌を読みながらウトウトしていた。



────…

ふと気づくと、部屋は真っ暗だった。


「寝過ぎちゃった…」


春香はシャワーを浴びる準備をし、ユニットバスへ入った。



シャワーを浴び終え、体をタオルで拭いていると天井から物音がした。


見上げると湯気で視界は悪かったが天井裏の板が少し外れていて、暗闇の中の目と目が合った。


「きゃーーー!?!!」


春香は思いきり声をあげた。


暫く震えていると目はもうなく、玄関からドアを叩く音と隣の男性の声が聞こえた。


「佐伯さん?!佐伯さん!?大丈夫ですかー?何かありましたか?」



春香は直ぐに部屋着に着替え、ドアを開けた。


「あっ、佐伯さん!大丈夫ですか?悲鳴が聞こえたんで驚きましたよ!何かあったんですか?」


「だっ、大丈夫です…ちょっと…今、お風呂に入ってたら…」


と現状説明をすると男性は部屋に上がり、ユニットバスへ足を踏み入れた。


「天井裏の板が外れてますね…見間違えじゃぁ?」


「はっきり見ました!目が合ったんです!」


春香は強く訴え、また踞り、震えた。