「俺さ…小さい頃、何で自分には父さんがいないんだろうって思ってたんだ。」

一呼吸置き、謙一は校庭に視線を向けた。



「母さんが亡くなって…俺は完全に一人になった…母さんは孤児だったんだ。だから…俺はどうしたら良いのかわからなかった。」


謙一がKAIに目線を移す。

「そしたら…母さんが亡くなって、二日後にKAIが現れるんだもんな。(笑)」


「父上がしっかり、見守っていたからな。母上は最初反対していたんだ。謙一を呼ぶ事を。人間として育てられた謙一を魔界に連れてきたら…何て言っていたがな。謙一を見て、若い頃の父上を思い出したみたいだ。今は母上も謙一の事を気遣っているぞ?」