「まただよKAI!」
1人の少年がガラスケースを覗きながら言った。
「何だ?SHIDO。」
KAIと呼ばれた長身の男が、SHIDOという少年が覗くガラスケースを後ろから見た。
「僕ね、1ヶ月前から気になってた人間を観察してたの!そしたらね、女の裏切りに気づいた男が今、女を殺しちゃった!しかも、男も直ぐ自殺しちゃった!」
「…そうか。」
「人間っておもしろにね!あの男の魂、おいしそうだから注文すれば持ってきてくれるかな?」
「死神に聞いてみろ。」
「えー!?僕が頼むと凄く面倒くさそうな顔するんだよー?」
SHIDOが口を尖らせて言った。
「死神に表情があるわけないだろう。」
「あっ、そうだったね♪(笑)早く注文しなきゃ、取られちゃう!」
SHIDOは無邪気な顔をして暗闇に消えていった。
KAIはガラスケースに目を移し、寂しげに笑った。
「大切なのは、命であろう。」