「朋美……。それはやっぱりまずいでしょ。朋美がリクエストしたのに、最初からそんな事言ってたら、相手に失礼なんじゃない」
そうは言ったが、確かに隣りの男の方が私もタイプだったりするけれど……。
「まぁね。第一印象としてはって事で、行ってみっか」
朋美……。朋美は何だか軽い気持ちで、待ち合わせの相手の待つ方向へと足を向けた。そんな感じでいいのかな?あまり身構えても相手が警戒しちゃいそうだし、飢えてるみたいに思われても嫌だ。朋美のように、軽い気持ちでいいのかもしれない。
「こんにちは。小林さん……ですよね?」
「そうです。佐原さんですか?」
「はい。初めまして。佐原朋美です」
「こちらこそ、初めまして。小林亘です。こっちは、友人の加納です」
「加納です」
やっぱり小林って人より、加納って人の方が私もタイプだ。
「あっ。こっちは、沢村珠美です」
「沢村です。初めまして」
そんなお決まりの自己紹介が済み、取り敢えずお茶をする事になった。
ふ~ん。お見合いのようだけど、あの独特の堅苦しい雰囲気がなくて、しかもあのうるさい私が!紹介してあげるのよと、恩着せがましいおばちゃん、略して節介取り持ちおばちゃんもいないから、ホントに気が楽かもしれない。
「沢村さんは、今日は付き添いなんですよね?」
エッ……。
お茶をした後、急に朋美が東京タワーに登りたいと言い出し、何年ぶりかで今、東京タワーの展望台にいて、朋美と小林さんが2人で仲睦ましく展望鏡を見ているので、ボーッとしながらガラス越しに淀んだ空気の中の東京を意味もなく1人見ていた私に、加納さんが不意に話し掛けた。
「そうなんです。スミマセン、私なんかが付いて来てしまって……。もっと、場を盛り上げられる付き添いの方が良かったですよね」
後に立っていた加納さんを見ると、何故か 私を見ながら笑っている。
「あのぉ……。何か変な事、私言いました?」
思い当たらず、恐る恐る問い掛けてみた。
「いやいや。俺も同じ事を考えてたから、ウケちゃっただけです」
「加納さん……」
加納さんも、私と同じ事を考えてたんだ。
「沢村さんと佐原さんは、 会社のお友達ですか?」
「そうなんです。同期なんですよね」
「それじゃ、気心知れていていいですね。そういう小林と俺も、同期なんですが」
「アッハ。そうなんですか。何か似てますね」
そうは言ったが、確かに隣りの男の方が私もタイプだったりするけれど……。
「まぁね。第一印象としてはって事で、行ってみっか」
朋美……。朋美は何だか軽い気持ちで、待ち合わせの相手の待つ方向へと足を向けた。そんな感じでいいのかな?あまり身構えても相手が警戒しちゃいそうだし、飢えてるみたいに思われても嫌だ。朋美のように、軽い気持ちでいいのかもしれない。
「こんにちは。小林さん……ですよね?」
「そうです。佐原さんですか?」
「はい。初めまして。佐原朋美です」
「こちらこそ、初めまして。小林亘です。こっちは、友人の加納です」
「加納です」
やっぱり小林って人より、加納って人の方が私もタイプだ。
「あっ。こっちは、沢村珠美です」
「沢村です。初めまして」
そんなお決まりの自己紹介が済み、取り敢えずお茶をする事になった。
ふ~ん。お見合いのようだけど、あの独特の堅苦しい雰囲気がなくて、しかもあのうるさい私が!紹介してあげるのよと、恩着せがましいおばちゃん、略して節介取り持ちおばちゃんもいないから、ホントに気が楽かもしれない。
「沢村さんは、今日は付き添いなんですよね?」
エッ……。
お茶をした後、急に朋美が東京タワーに登りたいと言い出し、何年ぶりかで今、東京タワーの展望台にいて、朋美と小林さんが2人で仲睦ましく展望鏡を見ているので、ボーッとしながらガラス越しに淀んだ空気の中の東京を意味もなく1人見ていた私に、加納さんが不意に話し掛けた。
「そうなんです。スミマセン、私なんかが付いて来てしまって……。もっと、場を盛り上げられる付き添いの方が良かったですよね」
後に立っていた加納さんを見ると、何故か 私を見ながら笑っている。
「あのぉ……。何か変な事、私言いました?」
思い当たらず、恐る恐る問い掛けてみた。
「いやいや。俺も同じ事を考えてたから、ウケちゃっただけです」
「加納さん……」
加納さんも、私と同じ事を考えてたんだ。
「沢村さんと佐原さんは、 会社のお友達ですか?」
「そうなんです。同期なんですよね」
「それじゃ、気心知れていていいですね。そういう小林と俺も、同期なんですが」
「アッハ。そうなんですか。何か似てますね」