「ありがとう、麻織」

「いえいえ」

       * * *

「はい、カレーです」

「おぉ〜!ずっと思ってたんだけど、麻織って器用だよね」

「そうですか?」

「うん。あと、面倒見がいい!」

圭一さんがスプーンをふり回しながらそう言う。

「妹がいますからね」

あ、意外と美味しくできてる。

私がカレーを食べながらそう言うと、圭一さんがスプーンを口に運んでいたのが止まっていた。

「えっ⁉︎初耳なんだけど!」

「え、だって聞かれなかったから……」

「それでも普通言うくない⁉︎」

「そ、そうなんですか?」

「そうでしょ〜」