「えっ、これって並ばないと買えないあの苺大福⁉︎」

佐藤さんは渡した紙袋を覗いて驚いたのか、そう言いながら、私と紙袋を交互に見つめている。

……大福、好きなのかな?

「父がこの会社で働いているので渡してきなさいって言われて」

「ありがとう!オレ、ここの苺大福大好きなんだよ。最近食べれてなかったからなぁ……ありがたい」

紙袋を拝む勢いでそう言った佐藤さん。

「よかったです。では、これで」

これ以上長居をするのも失礼だと思って、次の人の家に行こうと、佐藤さんの家から離れようとする。

「あ、もしよかったら一緒に食べない?これ」

「え?」

「あ、でもご両親が心配するか」