「そんなこと?」

そ、そんなこと……?

びっくりして顔を上げると、なっちゃんは明るい笑顔を見せてくれる。

「それくらいいの!どうせ風邪ひいてたとかなんでしょ?だったらしょうがないじゃん!」

「……しょう、がない……の?」

「しょうがないでしょー」

そっか、しょうがない、のか……。

「ありがとう、なっちゃん」

私がそう言ってなっちゃんを抱きしめ返すと、なっちゃんは少し恥ずかしそうにしながらも、私を抱きしめてくれる。

「えー、なに急に。まあでも、どういたしまして!」

「うぉっ、真織!来てたのか!?」

えっ?

突然の大きな声にびっくりして、声のした方を振り返ると、目を大きく見開いてこっちを見ている光一くんがいた。

「凛城、あんたうるさい」

なっちゃんが呆れた目で光一くんを見つめるけど、本人は全く気にしてない様子でどんどんこっちに歩いてくる。

「いやいや、三日間も学校休んでた同級生が学校に来たらこうなるだろ!」

「「ならないでしょ」」