ピピピピピ———

「……三十八度」

「えっ、高熱だ。早く寝ないとね」

「……はい、ごめんな、さ……」

あれ……?

圭一さんにうつさないように早く家に戻ろうと立ち上がると、体がふらついて思うように進めなくて倒れてしまう。

それと同時に失われていく意識。

「——り?まお———っ、だい———」

圭一さんの心配する声が途切れ途切れに聞こえて、ついに私は意識を手放した。

        * * *

……っん、頭痛い……。

目が覚めて、頭痛に顔を顰めていると、

私に気がついたのか、圭一さんが駆け寄ってくる。

「大丈夫?頭痛いんだよね?」

「……はい」

おでこに触れた圭一さんの手が気持ちくて、思わず目を閉じる。

「早くに気づいてあげられなくてごめんね」

「いえ、私が言わなかったから、しょうがないです」

「いや、大人は子供が体調が悪かったら一番に気が付かないといけないんだよ。……あの時だって……」

……圭一さん?

どこか苦しそうにそう言う圭一さん。

「……ごめん、なんでもない。まだ熱があるから寝てな」

「……ありがとうございます」

「……ふふ、いいよ」

最後に私の頭を撫でて圭一さんは、部屋から出ていった。