「麻織のこと好きになったって」

……っ!

そ、そうだった……。

忘れていた訳じゃないけど、今の今まで圭一さんは今までと変わったそぶりを見せていなかったから自然と意識しなくなっていた。

「な、何かの冗談ですか……?」

「……冗談じゃないよ」

「え?……ひゃっ……」

「……やっぱり、熱があるね」

え……?

熱……?

「体温計持ってくるよ」

そう言いながら席を立った圭一さんを目で追っていると、確かに頭がクラクラしていることに気がつく。

「はいこれ、使って」

「あ、ありがとうございますっ」

渡された体温計を脇に挟んでしばらく待つ。