「あ、麻織!おはよ」

「おはよう、光一くん!」

今ではお互いに名前で呼ぶくらい仲良くなった私と光一くん。

光一くんは私が困っていると真っ先に助けてくれる、優しい人だ。

「まおっちー、おっはよ!」

「なっちゃんっ、おはよう!」

そう言って声をかけてくれたのは、あれから仲良くなった日向夏樹《ひなたなつき》ちゃん。

いつも長い髪をポニーテールにしているのがよく似合っている可愛い女の子。

なっちゃんとはすぐに息合同して、一緒に行動するようになった。

  * * *

「まおっちのお弁当いつも美味しそう!」

「そうかな?」

「うん!自分で作ってるんでしょ?」

「そうだけど……」

自分のお弁当を見つめながらそう答える。

お弁当の中には特に特別なものが入っているわけじゃない。

顔を上げると、なっちゃんの目線がお弁当に向いていることがわかった。

「何かいる?」