信じられないけど、本当にそうだとしたら買い物に行こうとした時にマスクや帽子をつけていた事の辻褄が合う。

「ごめんね、大学の友達からだった」

私はそう言って苦笑いしている圭一さんをまじまじと見つめる。

メガネをつけているから顔はよく見えないけど、ずっと見つめているとかっこいいことがわかる。

「ま、麻織……?」

「あ、ごめんなさい…」

聞いちゃっていいのかな……?

でも、隠しているくらいだし、気づいて欲しくないよね。

「どうかした?」

「……ううん。なんでもないです」

今はまだ、知らないふりをしとこう。

圭一さんが話してくれるまで。