「うん、よろしく！」

私は差し出された凛城くんの手をとって、握手をした。
　　　　　　　　　
　　　　　　　　　＊ ＊ ＊

「聞いてください圭一さん！私、友達がたくさんできたんです！」

「へー、よかったね！」

「はい！」

引っ越してきてからしばらく経って、私はようやく今の生活に慣れてきた。

圭一さんとも少し距離が縮まった気がする。

圭一さんは毎日私のなんの変哲もない学校であったことをニコニコと聞いてくれていた。

「そういえば、圭一さんって大学生なんですか？」

「ん？そうだよ。毎日レポートが多すぎて苦労してる」

「やっぱり大学生ってレポート多いんですね」

身近に大学生がいると自分が大学受験の時すごく助かるかも……。

「あ、ごめん電話だ」

そう言って圭一さんは席をたった。

私は、何気なく圭一さんが付けて行ったテレビを見ながらお茶をすする。

『あの有名な俳優、佐藤圭一さんのドラマ主演が決定しました！楽しみですねぇ〜』

「……え⁉︎」

私は三つ目のニュースを見て、思わず叫んでしまう。

佐藤圭一さんって圭一さん⁉︎

じゃあ圭一さんって俳優だったの⁉︎