「お母さん、出てくるから。愛莉はご飯作ってていいわよ」 今日は休みだったお母さんが、リビングについているモニターを確認もせず、玄関に向かった。 「おじゃましまーす」 聞き覚えのある、私にとっては憂鬱な声が聞こえた。 「あら、待ってたわよ〜!美琴くん!」 待ってたわよ、美琴くん!? お母さん、まさか……! だから、今日は昼食が8人分も必要だったのか……。 「咲さんにお祭りの時お招きいただいちゃって。……来ちゃった」