カーテンの隙間から薄い光が漏れる。
最近はだいぶ日の出時間が早くなってきた。

ゆっくり寝ていていいと言われたけれど、どうやら早起きは体に染みついているらしい。自然と目が覚めてしまった。

ささっと身支度を整えてキッチンへ顔を出す。

朝はコンビニで買うことが多いと言っていた智光さんらしく、冷蔵庫にはほとんど食材が入っていなかった。コーヒーメーカーはあるのでたまにコーヒーを淹れるのかもと思いきや、使われた形跡がなくて新品そのもの。

何か朝食でも作ろうかと思っていたけれど、これでは無理そうだ。

こんなことなら昨日スーパーに寄ればよかった。

「うーん、どうしようかなぁ?」

キッチンをウロウロしているとガチャリとドアが開き、少し寝癖のついた髪の智光さんが「おはよう」と起きてきた。

あまりの無防備さに「きゃああっ」と心の声が漏れそうになる。

本日も絶賛見目麗しい。
敦子さんが見たら絶対「イケメンのギャップ破壊力」とか言い出しかねない。

「どうかしたか?」

「あ、いえ、朝食作ろうかと思ったんですけど、食材が何もないなぁって」

「ああ、それは悪かった。今日はコンビニで我慢してくれ」

「コンビニ!」

ここにきて、まさかのコンビニ朝食デビュー?
うわあ、うわあ、どうしよう。

「……なんか、喜んでいる、のか?」

「ふふっ、だってコンビニで朝食憧れていたので。なんだか嬉しくて」

ふふふ、楽しみすぎてニヤニヤが止まらない。
憧れていたコンビニ朝食がもはや実現するだなんて。