「触らないで! へ、変態!」

「そう、俺は変態なのさ。お前のこと、いつ抱こうか毎日毎日考えてたんだぜ」

「ひっ」

ぐっと強い力で引き寄せられ、乱暴に肩を掴まれる。必死に体を捻って逃げようとするも、なおも私を引き寄せようとしたお兄さんともつれ合い、ガタタっと派手な音を立てながら床に倒れ込んだ。

「やめてっ! 離してっ!」

「叫んだって誰も助けてくれねぇよ? この家には俺とお前しかいねぇんだから」

不幸にも倒れた拍子にお兄さんにのし掛かられる形になってしまい、両腕を押さえ込まれて逃げることができない。

ジタバタと足を動かしてみるも、下腹辺りに体重がかけられてビクともしなかった。

嫌だ。
嫌だ。
怖い。
気持ち悪い。

お兄さんのギラリとした目が近づいてくる。必死に顔を背け歯を食いしばった。ぬめりとした感覚が口元の横を通り過ぎる。それがお兄さんに舐められたのだと理解した瞬間、戦慄が走った。

「おら、口開けろ」

「んんー!」

嫌だ!
嫌だ!
絶対口なんて開くものか。