結局午前中はずっと社長室で仕事をした。
普段の社長は現場を回ったりすることが多く、社長室にこもることは滅多にないのに、私を心配してくれたからだろうか、午前中はずっと一緒に社長室で仕事をした。きっと忙しいはずなのに、私に合わせてくれたんだと思う。
こんなに親切にされてしまうと、社長のことをますます好きになってしまって困る。
あ……いやいや……好きってそういう好きじゃなくて、人として好きっていうか……。
何で自分に言い訳しているんだろう。
「幸山さん、午後からは自席に戻れそう?」
「はい、もちろんです。いつまでもここでお世話になるわけにはいきませんし」
「そうか、残念だな」
「え……?」
残念?
何が残念?
私が首を傾げると、社長は「いや」と小さく首を振った。
「せっかくだから昼食を一緒にとらないか? こんな機会も滅多にないし」
「わあ、いいんですか? じゃあ私、お弁当取ってきますね」
社長と昼食を共にするなんて何という幸運。
久賀産業は近所の仕出し屋さんにお弁当を発注している。昼食補助費も出るため一食三百円で食べることができてとてもお得だ。しかも、お弁当は日替わりでいつも美味しい。
私にとってはこのお弁当が一日の中で唯一しっかり食べる食事となっている。だから毎日楽しみにしている。
普段の社長は現場を回ったりすることが多く、社長室にこもることは滅多にないのに、私を心配してくれたからだろうか、午前中はずっと一緒に社長室で仕事をした。きっと忙しいはずなのに、私に合わせてくれたんだと思う。
こんなに親切にされてしまうと、社長のことをますます好きになってしまって困る。
あ……いやいや……好きってそういう好きじゃなくて、人として好きっていうか……。
何で自分に言い訳しているんだろう。
「幸山さん、午後からは自席に戻れそう?」
「はい、もちろんです。いつまでもここでお世話になるわけにはいきませんし」
「そうか、残念だな」
「え……?」
残念?
何が残念?
私が首を傾げると、社長は「いや」と小さく首を振った。
「せっかくだから昼食を一緒にとらないか? こんな機会も滅多にないし」
「わあ、いいんですか? じゃあ私、お弁当取ってきますね」
社長と昼食を共にするなんて何という幸運。
久賀産業は近所の仕出し屋さんにお弁当を発注している。昼食補助費も出るため一食三百円で食べることができてとてもお得だ。しかも、お弁当は日替わりでいつも美味しい。
私にとってはこのお弁当が一日の中で唯一しっかり食べる食事となっている。だから毎日楽しみにしている。