隠れ雨
  春雨ハルサメ


わーわーわーわー。

心臓が、心臓が、心臓がっ。
どうしよう何か口から何か得体の知れないものが出てきそうな感じだ。

「ん?どうしたの春ちゃん」

わーわーわーわー。

心のサイレン、只今警報中です。
どなたかー、どなたかお医者様はいませんかー。

ん?どうしたんですかって?

心のサイレンが鳴り止まないんですよっ!

「え、な、なんでもないよ・・・!///」

「本当?大丈夫?なんか顔真っ赤だから熱でもあるのかと思った」

わーわーわーわー。

これが赤か、これが熱か、これが温度か。
なんだか時が止まってる様だ。
あ、時より私の心臓の方が心配だ?

ていうか今、地球はちゃんと回っているのかどうかの方が心配だっ。

「あ、そういえば春ちゃん」

「な、なに喜一くんっ!!//」

「明日って、暇?」

「う、うん!暇だよ!もう超、死んじゃうぐらい暇っ!!」

「ホント?じゃあさ、一緒にどっか行かない?」

き、喜一くん喜一くん。

今のはウソじゃないね?
夢じゃないね?

現実、だよね?

「い、行かせて頂きお願いします・・・!!///」

わーわーわーわー。

あまりにも慌てすぎて頭の中空っぽで、ちゃんと文章を正しいのに置き換えられなかった。
なんかもう・・・調子狂うよ。

そして、嬉しすぎてろれつが回らないよ。

「あははっ、春ちゃんって面白いよね」

「そ、そうかな?あははっ」

あははー・・・ってそう言ってる間に喜一くんの顔が近いような気がするよっ。
顔も、鼻も、瞳も、唇も。

・・・え、唇っ!?



ちゅっ



「・・・」

「春ちゃん、大好き」


心のサイレン、ただ今故障中。