レオナルドが続ける。
「しかも、火球隕石弾(メテオ)のような強力な殲滅魔法を使うと、床が崩落して1階まで落ちる仕様だったんだよ」
 なぜそんなに意地の悪い設定になっているんだろうか。本当にレオナルドは性格が歪んでいる。
 リリアナが心の中でそう思ったことが顔に出ていたようだ。
 レオナルドがおかしそうにくくっと笑った。
「だって、それぐらい難関じゃないとおもしろくないだろう? それをどう攻略していくかっていうゲームなんだから」

「じゃあハリス先生が挑戦した時に、どれだけ食べさせても満腹にならなかった大食いのオークにも正解があったということ?」
 リリアナが何気なく尋ねると、レオナルドは緋色の目をすっと細める。
「それを教えるのが君の願い事?」
 レオナルドが叶えてくれる願い事はひとつだけと注意事項に明記されていた。

 冗談じゃない。大食いの呪いを解いてもらわないといけないのに!
 リリアナは慌てて首を横に振った。
「わたしの願いは大食いの呪いを解いてもらうことよ。でも待って! 食べ終わってからにして」

 食事を続けるリリアナを、レオナルドは楽しそうに眺めていた。