スマホが突然なった。
俺は慌てて電話を取った。

「雪野玲緒さんで間違えありませんか?要さんが危篤状態でして…」

俺は何も考えずに病院に向かった。

そこには苦しそうに横たわる虹歌がいた。

「れ…ぉ…」
虹歌が口を開いた。俺は安心させるためにいつも通りの話をし続けた。学校の話とか…。

そして、虚しくもその時は訪れた。
「ツーツーツー」
虹歌の顔がガクッと傾いた。
虹歌。大好きだった。これからは、天国で楽しく過ごせよ!
俺は床に滴る雫を眺めた。
大好きな人はいつか目の前からふと消えるかもしれない。時には抗えない。だからこの世で悔いのないように過ごすんだ。この儚い世界で。
          ー終ー