その日の夜、私は集中治療室にいた。
倒れてから容態が安定しないからだそうだ。
玲緒は、喋れない私の隣に黙っていてくれた。

私は2年前のことを思い出した。
あの日は、体育祭で、玲緒が私に告ってきたんだ。しかも公開告白。私は信じられないくらいびっくりしつつも嬉しかったのを覚えている。だって私も好きだったから。

私の命は、今日で終わりだ。と密かに思っていた。

玲緒。私と一緒にいてくれてありがとう。楽しかったよ!私のこと忘れないかな?いつか、また、天国で遊ぼうね。大好きだったよ。
そう言い終えたあと、無情にもツーツーツーという音が流れた。玲緒。泣かないで。また会えるよ!

私の命は明日も続くと思ってた。でも終わりは突然やってくる。奇跡なんて起きないかも。だから一日を後悔のないように生きよう。
この、寂しくも美しい散りゆく世界で。


終わり


あとがき
バットエンドといえばそうなのですが、寂しいだけじゃない終わり方だったと思います。
これからもこういう短編を書いていくつもりなので、ぜひ見てください。このシリーズの続編とかも書きたいですね!それでは次作で会いましょう。かえででした。