「虹歌…大丈夫か?!」
玲緒が焦ったような顔で病室に入ってきた。

点滴だらけの体を無理やり動かし手を伸ばした。

「れ…ぉ…」
声が思ったように出なかった。でなくなってしまったのだ。

あーあ。もっと玲緒と遊びたかった。
友達ともくだらないこと話して笑い合いたかった。もうできないの?!死んじゃうの?!玲緒の顔を見ると今までつのっていた不安が一気に溢れ出した。
気づいたら涙が出ていた。

それを見た玲緒は、何も言わず面会時間ギリギリまで手を握って一緒にいてくれた。

私は病気のことを話す気分にはなれず、また明日といった。