サラの将来の相手になるんだから、その恋心に早く気がついて欲しいと願って止まない。

「私、こういうちゃんとした場に出るの初めてで、緊張して皆の迷惑になりたくないんです。エリーザさんと一緒に居て、色々と学んで、それに……エリーザさんとの思い出も作りたいなって」

 お揃いの物を渡す時は堂々とあんなに瞳を輝かせていたのに、今更何を恥らっているのよ……まったく可愛らしいわね!こんなの断れないじゃない!!

「はあ……本当に仕方ありませんわね。いいですわ。一緒に行きましょう」

「やった!!」

 喜ぶその笑顔が眩しくて、釣られて私も微笑んだ。

 殿下を避けているせいで中々行く機会が無くなった王宮内で、聖女の存在がどうなっているのか探りにも行けることだし、行く価値はありそうね。

 それに行ったところで、殿下とサラを二人に出来る機会をまた作れる機会にもなるんだし。

 ……そう思うのに、何故か複雑な気持ちになるのはどうしてなのかしら。

「エリーザさん?」

「ごめんなさい、少し考え事をしてしまっていたわ」

「あの、当日までに着る衣装のお買いものとか一緒に出来たりしますか?」

「勿論よ。何なら、私の家に商人を呼びましょうか?」

「そんなお手を煩わせるわけには……!というかそ、その!放課後に一緒にお買いものとかしてみたくて」

 はあ、一生この可愛らしい生物に勝てる気がしない……。