「先生!」

 勢いのまま挙手をした私は、立ち上がってサラを見つめた。

「サラ様に授業の進行を教える方が隣に居ないのは、どうかと思われます」

「確かにそうですね。エリーザさん、お願いしてもよろしいですか?」

「構いませんけれど、私よりも生徒会長も務めるクラウド様に任せた方が良いかと。校内の案内もクラウド様の方が知っていることも多いでしょうし、何よりサラ様には早く学校に慣れて頂きたいですから」

 上手くまとめ上げられた気がするわ。先生も納得しているように頷いているし。

 後は殿下、サラと上手にやって下さいませ。

 ふふんと、勝ち誇った笑みを浮かべた直後、隣からもの凄い圧を感じる。恐る恐る隣に居る殿下を見れば、眉間にしわを寄せていた。

「クラウドさん、サラさんの隣にいいかしら?」

「……はい」

 仕方なくといった様子で席を立った殿下は、一度だけこちらを見た気がするが一瞬過ぎて表情が見えなかった。