「え……え!?ごめんっ、ちが…っ」


そんなつもり全然ないのに…!!

ブワッと顔が熱くなる。

慌てて手を離そうと肘を引いたけど、聖司くんの手がくっついて離れない。

「えっ、あれ…!?」


涙目で見上げると聖司くんが、


「……ブハッ」


吹き出した。


「え」


いつのまにか聖司くんの手はあったかくなっていて、クツクツと笑いを堪えようとする聖司くんの表情は、いつもの私を揶揄う時の楽しそうなそれ。


「ちょっと、聖司くん!私は聖司くんを励まそうとしてだねぇ、」

「はいはい、わかってますよお嬢様」


手を握ったまま、聖司くんは目を細めてふわ、と優しく私に笑いかける。


「ずっとそばにいてください」


「……!」



……聖司くんこそ、

プロポーズみたいだよ?



「……おっけ」



敢えてラフな感じで返したら、聖司くんはハッと優しく笑う。



「行きましょう。お嬢様」



そして私たちは、本物のパーティー会場へと足を向けた。