「なんか、わかった気がします」

「ん?何が?」

「清美坂真桜のできあがった経緯が」

「……んーと、それはどういう?」

絶対にからかう言葉が続くだろうと予想を立てた私は、ツッコミを入れる準備をした。


「自由でまっすぐで、心が豊か」


……あれ?


聖司くんからポン、と提示されたのは、思いのほか優しい言葉たち。


「……ほ、褒めてくれた……?」


聖司くんは顔を少しだけ横にして目線だけ私に向けて、笑う。


「悪口に聞こえましたか?」


いつもよりかっこよく見えちゃったのは、月明かりのせいだろうか。