そして田んぼを抜けて、塗装されてない坂道を登っていくと見えてくる、見晴らしのいい場所につくられた小さな霊園。



『佐藤家之墓』



月明かりに照らされてキラキラ光るお墓の前に、私は立った。



「来たよ、おとーさんっ!」



私の、前のお父さん。

8年前に病気で死んじゃった。



「……」



聖司くんが荷物を置いて、頭を下げて手を合わせる。



……私たち、本当に来ちゃったんだなぁ。



「なにぼーっとしてるんですか。はじめましょう」

「あ、うん」