「……てかずっと気になってたんですが、なんですかその恰好は。布が少なすぎますよ。見てるこっちが寒いんですが」


聖司くんはそこにいたぴょぴょんぴょんでタンクトップ姿の私の肩をペシッと叩く。


「……」

「なんですか」

「……別に?」


いや、根は紳士でいい人なんだけどさ。

やっぱり学校との違いにビックリしちゃうよね。


「もうちょっと優しくしてくれてもいいんじゃないかなー」


私は独り言のように呟いた。


「……優しくしてほしい感じですか?お嬢様」


その言葉に振り返ると、執事スマイルを浮かべた聖司くんと目があった。


「え?」


聖司くんはおもむろに立ち上がって自分のパーカーを脱ぐと、フワッと優しくそれを私の肩にかけて、耳元で囁く。


「わたくしがあたためて差し上げましょうか」


そのまま聖司くんは、パーカーごと私を後ろから抱きしめた。



「!?」



バクン!心臓が飛び跳ねる。