「一人暮らしなんだぁ。私もだよ。」


エミがシュウの話にのってきた。

「えっ。エミも一人暮らしなのっ?」


初耳だったあたしはびっくりした。


「そーだよ。私も実家遠いからさぁ。れんは?」


「あたし、実家通いだよ。一人暮らし羨ましいなぁ」



あたしのまわりの友達。

愛子も恵も高明くんも。

みんな実家通いだったから、少し驚いた。


一人暮らし。


その響きもなんだかかっこよく聞こえた。


「でも、実家のほうがいいぞ?掃除、洗濯。全部自分でやるんだから。」



シュウは、すでに家事にうんざりしているようだった。


「え~。でもいいじゃん。どんなに遅く帰ってきても親に怒られないし。」


エミとシュウの顔を交互に見た。