他の何曲かも、一番最初にあわせた曲と比べたら、どれも難しい曲。
ベースラインも激しく動くし、指がもたついてしまうことも多々あった。
全部で5曲。
そのあと、シノブは何も言わなかったが、明らかに3人がばらばらだった。
ひととおり、曲を弾き終えると、シノブはギターを片付け始めた。
「まだ時間あるよ???」
あたしの声にも片付ける手を止めることはなく、荷物を詰めながらこう言った。
「俺はもう練習しなくても大丈夫だから、二人でちゃんとあわせる練習したほうがいいよ。来週、俺、用事あって練習これないから、来週は二人で練習して、再来週までにリズム隊ちゃんとあわせておいて。」
返す言葉がでなかった。
明らかに、あたしたちとシノブの技術レベルは違うと感じてしまった。
「じゃあ、また金曜日の集まりでな!!」
そう言うと、さっさと部室を出て行った。