「ユウさ、もっと余裕もって叩けよ。」


音が鳴り静まった部室。

響くシノブの声。


「悪ぃ・・・。」



低めのユウの返事。


「他の音聞いてないから俺らが止まったのにも気づかないんだろ?」




あたしには何も言ってこなかったが、あたしにも不満があるのは間違いない。


”女”だから気を使って何も言わないのかな。


そんな気さえした。


あたしに対するシノブの不満も、全てユウへぶつけられた気がして申し訳なく思った。