「れん、おはよう~」


「おはよう~久しぶり~」


手を振った先には、エミ。

学部が違うエミと会うのは、ほんとにこのサークルだけになる。


バンドサークルということもあるけれど、活動は、それぞれバンド単位となるため、メンバー以外との交流があまりない。


だから、このミーティングの時間は、サークルメンバーとの交流にはとっても大事な時間なのだ。


・・・とはいえ、人見知りなあたしは、なかなか積極的にはなれていないけど。


今日は早い時間からシノブの姿もある。

でも、ユウはいないみたいだ。


少し距離があったが、シノブを見ていたら、視線が合った。


「おぉ。れん、おはよう」


「お~!おはよう~。今日は早いね」


いつも時間に遅れてくるシノブ。

今日は、いつもよりテンションも高いみたいだ。


「あのさ~、サークルの1年でどっか行かない?」



あたしたちの顔を交互に見ながらそう言った。


「いいねぇ~。」

すぐにエミが返事した。

あたしもその提案には大賛成だったが、ユウのことが頭に浮かび、ドキドキしてしまった。


「うん。いいかも。」


本当は”かも”じゃない。

だって、1年生の交流ってことは、

ユウも来るってことでしょ??